収納使(読み)しゅうのうし

山川 日本史小辞典 改訂新版 「収納使」の解説

収納使
しゅうのうし

平安中期以降,受領(ずりょう)国司によって在地へ派遣された国使。税物の徴収収納にあたった。目代(もくだい)や惣大判官代などの肩書をもつ国衙(こくが)官人で,受領腹心の者が任じられ,在地に入部して非法を行い,問題をおこしたことも多い。郡・郷を単位として派遣され,国衙官人の書生郡司を率いて,郡・郷収納所を構成し徴税を行った。受領による国衙機構再編成の重要な一環といえる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の収納使の言及

【四度使】より

…(2)平安時代の中期以後に,国衙領支配のため,国衙の命令によって在地に派遣された,年に4度の使者。出挙(すいこ)使,検田使,計帳使,収納使の4使で,郡司などが任じたらしい。【早川 庄八】。…

※「収納使」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android