取り伝ふ(読み)トリツタウ

デジタル大辞泉 「取り伝ふ」の意味・読み・例文・類語

とり‐つた・う〔‐つたふ〕【取り伝ふ】

[動ハ下二]取り次ぐ。受け伝える。
「かかる御文ふみなども―・へ始めけれど」〈東屋

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「取り伝ふ」の意味・読み・例文・類語

とり‐つた・う‥つたふ【取伝】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙 物に取りつきながら沿って行く。物をつかんで、それに頼って移動する。
    1. [初出の実例]「こしのゐられたりけるを、しひてまゐりたるとて、ものにとりつたひて通られしを見しかば」(出典:たまきはる(1219))
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 ( 室町時代頃からヤ行にも活用した )
    1. 受けて他に伝える。取って伝える。取り次ぐ。
      1. [初出の実例]「この人は妹のこの西の御方にあるたよりに、かかる御文なども、とりつたへはじめけれど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)東屋)
    2. 伝受する。伝承する。
      1. [初出の実例]「もののふのとりつたへたるあづさ弓ひいては人のかへるものかは」(出典:平家物語(13C前)九)

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