一般には、財またはサービスを対象として商人間、もしくは商人と消費者の間で行われる売買行為をいう。取引に関する取引物の種類・数量・価格、引渡しの場所・時期・方法、代金支払方法などを、取引条件という。取引条件は、取引契約書のような文書もしくは口頭により、取引当事者間で決定される。頻繁に取引する相手を取引先といい、取引先との関係を取引関係にあるという。銀行取引はこの代表例である。
簿記会計用語としての取引は、通常の取引概念よりもはるかに広範な内容を含み、企業の財産や資本の価値に変動を及ぼす金銭的計算の可能なすべての事実をいう。このような取引には、商品売買、代金授受、金銭貸借、財産の購入・建設はもとより、財産や商品の破損・滅失・盗難・無償贈与・無償取得・減価、物価や為替(かわせ)の変動による財産価値の騰落、貨幣価値変動による財産の評価替え、火災や戦争など物理的・経済的理由に基づく財産の減価なども含まれる。これらの取引は、損益の発生を伴うか否かにより損益取引と交換取引に、現金を基準に現金取引と振替取引に、場所によって外部取引と内部取引に、記録時点によって期中取引と期末取引(決算取引)に分けられる。
[森本三男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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【企業会計上の決算】
元帳の勘定記録に基づき,元帳勘定を締め切ることを決算closing the booksという。複式簿記では,企業活動を通じ企業の資産,負債および資本に影響を与えるいっさいの事象を取引と呼び,取引によってもたらされる相対立する二つの価値の流れ(たとえば商品の購入取引の場合,一方で商品という資産の増加と他方で現金という資産の減少というプラス量とマイナス量との価値の流れ)を2面から(複式で)記録する。この記録は取引の発生順に仕訳帳で行うので,仕訳帳には取引の歴史的記録が保有されることとなる。…
…経済が自給自足の状態から脱して生産と消費が分離してくると商品の流通が発生する。商品が生産者から消費者の手に渡るまでの過程には,商品の物的な流通と所有権の移転があり,所有権の移転は商取引によって行われる。商取引は売手と買手,需要と供給とを結びつけ両者を調整する需給接合機能を果たしている。…
※「取引」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...
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