取次(読み)しゅじ

精選版 日本国語大辞典 「取次」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐じ【取次】

〘名〙
① 次第に順を追うこと。次々と順を追って進むこと。
日本風景論(1894)〈志賀重昂〉九「梅花先づ郊村に綻びて、〈略〉桜杏梨、二十四番取次に乱開し」
② きままなこと。随意。また、ついでのまま。
※明極楚俊遺稿(14C中か)和喜舟到岸「白沙路上無青草。緩歩何妨取次行」 〔白居易‐病仮中龐少尹攜魚酒相過詩〕
[補注]②については、「読・南総里見八犬伝‐四」に、「言の後先(しりくち)取次なる」とあり、「取次」にシドロの訓が付けられている。

とり‐つぎ【取次】

〘名〙
両方の者の間にいて、物事を伝えること。また、その人。なかだちをする人。商取引で、商品売買の仲介にもいう。
※清慎公集(970頃)「とりつきなどは、御つきづきのむすめたちなどぞしたまひける」
② 特に、営業的商行為一種で、自己の名で委託販売などを行なうが、計算損益)は委託者に帰する取引行為のこと。
商法(明治三二年)(1899)二六四条「仲立又は取次に関する行為」

とり‐つ・ぐ【取次】

〘他ガ五(四)〙
中間に立って、一方から他方へ物事を伝達する。一方から受けて他方に送る。取り伝う。
※宇津保(970‐999頃)吹上上「下づかへはみすのもとまでとりつぎ、童は御前に参り」
問屋製造元から商品を仕入れて他に売る。
青年(1910‐11)〈森鴎外〉五「雑誌もその書店が取り次いで送ってくれるのである」

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普及版 字通 「取次」の読み・字形・画数・意味

【取次】しゆじ

便宜に。かりそめに。また、次第に。唐・杜甫〔元二の江左に適(ゆ)くを送る〕詩 經するに自ら愛惜せよ 取に兵を論ずること(なか)れ

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図書館情報学用語辞典 第5版 「取次」の解説

取次

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知恵蔵 「取次」の解説

取次

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