取納める(読み)トリオサメル

デジタル大辞泉 「取納める」の意味・読み・例文・類語

とり‐おさ・める〔‐をさめる〕【取(り)納める/取(り)収める】

[動マ下一][文]とりをさ・む[マ下二]
しまっておく。また、かたづける。「雛人形一式を―・める」
心などを落ち着ける。気などをしずめる。
「気の荒立ちを―・める良薬」〈里見弴・今年竹〉
埋める。埋葬する。
「成等正覚頓証菩提とぞ―・めける」〈曽我・一〇〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「取納める」の意味・読み・例文・類語

とり‐おさ・める‥をさめる【取納・取収】

  1. 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]とりをさ・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
  2. 物を適当な入れ物や場所にしまう。
    1. [初出の実例]「重宝(たから)の府庫(くら)を封(ゆひかた)す図籍文書(しるしのふみ)を収(トリオサム)」(出典:日本書紀(720)神功即位前(北野本訓))
  3. 自分のものにする。
    1. [初出の実例]「盗人は熟瓜(ほぞち)をみても雨ふればほし瓜とてやとり収むらむ」(出典:義孝集(974頃))
  4. 物事を整った状態にする。かたづける。
    1. [初出の実例]「見苦き物共取納むとて見る程に」(出典:平松家本平家(13C前)四)
  5. 埋葬する。あとを弔う。
    1. [初出の実例]「僧たちをやりたてまつり、成等正覚、頓証菩提とぞとりおさめける」(出典:曾我物語(南北朝頃)一〇)
  6. 心の乱れなどをしずめる。
    1. [初出の実例]「気の荒立ちをとり収(ヲサ)める良薬」(出典:今年竹(1919‐27)〈里見弴〉渡風流水)

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