取結(読み)とりむすぶ

精選版 日本国語大辞典 「取結」の意味・読み・例文・類語

とり‐むす・ぶ【取結】

〘他バ五(四)〙 (「とり」は接頭語)
① お互いに結びかためる。約束、契約、社会的関係などを結ぶ。
浮世草子・好色一代女(1686)四「大坂はおもふより人の心うはかぶきにして〈略〉取むすぶより無用の外聞斗をつくろひ」
双方の仲をとりもつ。なかだちをする。
※俳諧・桜川(1674)春一「取むすぶ中や連理の柳樽〈吉当〉」
③ 組織する。設立する。結成する。
※虎寛本狂言・察化(室町末‐近世初)「某当りの若い衆と寄り合うて、連歌初心講を取結んで御ざれば」
④ 作る。構える。
機嫌をそこなわないようにする。さまざまな手段によって、人の機嫌がよいようにする。
落語・つよがり(1890)〈三代目三遊亭円遊〉「エエ一席相変らず有りふれたるお噂を申上げまして御機嫌を取結ぶやうな訳で御座いますが」
⑥ 戦いを交える。開戦する。
日葡辞書(1603‐04)「カッセンヲ torimusubu(トリムスブ)
⑦ ある状態と結びつく。関わりをもつ。
談義本・無而七癖(1754)三「風(ふ)と病にとりむすびて食すすまず」

とり‐むすび【取結】

〘名〙
① 結びかためること。約束。結縁
※浮世草子・懐硯(1687)一「此事過し年の春よりの取むすびと」
② 仲をとりもつこと。なかだち。仲人
評判記色道大鏡(1678)二「とりむすひのつれあらば、是も同道すべし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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