取離す(読み)トリハナス

デジタル大辞泉 「取離す」の意味・読み・例文・類語

とり‐はな・す【取(り)離す/取(り)放す】

[動サ五(四)]
手に持っているものをうっかり離す。また、手もとから逃がす。「綱を―・す」
戸・障子などを開け広げる。
「今日は非番の暇にて奥の間―・して」〈浮・伝来記・四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「取離す」の意味・読み・例文・類語

とり‐はな・す【取離・取放】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙
  2. 離して別々にする。分離する。物をあった所から持ち去る。はなす。
    1. [初出の実例]「上毛野佐野の舟橋登里波奈之(トリハナシ)親は離(さ)くれど我(わ)は離(さか)るがへ」(出典万葉集(8C後)一四・三四二〇)
  3. 持っているものを手もとからはなす。手ばなす。また、手もとから逃がす。とりにがす。
    1. [初出の実例]「汝は馬をとりはなすな、其ままのっていよ」(出典:虎明本狂言・止動方角(室町末‐近世初))
  4. 剥奪する。取り上げる。とりはなつ。
    1. [初出の実例]「魏亦━もとの信陵と云所領をもとりはなさぬそ」(出典:史記抄(1477)一二)
  5. 戸、障子などを開け広げたり、はずしたりする。障害物をとり除いて広くする。開けはなす。
    1. [初出の実例]「奥の間取(トリ)はなして内儀と只ふたりしめやかに」(出典:浮世草子武道伝来記(1687)四)

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