取食(読み)とりくう

精選版 日本国語大辞典 「取食」の意味・読み・例文・類語

とり‐く・う ‥くふ【取食】

〘他ハ四〙
食べ物を手に取って食べる。
※宇津保(970‐999頃)蔵開中「物とりくうおきなの形を、おものまろがして作りすゑて」
② 他の人のものを盗み、または奪って食べてしまう。
※天草本伊曾保(1593)イソポの生涯の事「イザ コノ カキヲ リャウニンシテ toricǔte(トリクウテ) ソノ トガメノ アラウズル トキハ

とり‐くら・う ‥くらふ【取食】

〘他ハ四〙
① 捕獲して食べる。つかまえて食べる。
太平記(14C後)三二「此陰に夜な夜な妖者(ばけもの)有て、往来の人を採食(トリクラ)ひ」
② 取り出して食べる。持ち出して食べる。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二「他人の買った菓子をムシャムシャと遠慮なく取り喰へるは」

とり‐ばみ【取食】

〘名〙 大饗(だいきょう)などの後で、庭に投げられた料理の残りを拾い食べる下賤な者。また、それをさせること。
※枕(10C終)一四二「すなはち、とりばみといふもの、男などのせんだにいとうたてあるを」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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