口上・口状(読み)こうじょう

精選版 日本国語大辞典 「口上・口状」の意味・読み・例文・類語

こう‐じょう ‥ジャウ【口上・口状】

〘名〙
口頭で述べること。口頭で伝えること。また、その内容。また、型にはまった挨拶のことばをいう。
※続日本紀‐天平勝宝元年(749)二月壬戌「式部更問口状、比挍勝否、然後選任
※承久軍物語(1240頃か)二「口上に申さるるやう、義時昔より君の御ために忠あって私なし」
② ものいい。口のききかた。口ぶり。弁舌
無名抄(1211頃)「あしたにするをばあさりと名つけ、夕にするをばいさりといへり。これ東のあまの口状なり」
※虎寛本狂言・八句連歌(室町末‐近世初)「久敷う逢ぬ内に、口上が上った」
③ 歌舞伎その他の興行物で、出演者または劇場の代表者が、観客に対して述べる挨拶(あいさつ)。また、それをいう人。初舞台、襲名披露、名題昇進、追善などで行なわれる。また、題名、出演者などの紹介をすることや、それをする人をさしていうこともある。
※評判記・役者評判蚰蜒(1674)ゑびすや座惣論「榊武兵衛が、たて板に水をながすやうなる口上のいさぎよき」
④ 注意事項や疑問点を書き込んで、文書や書籍にはりつけた紙。押紙(おうし・おしがみ)付箋(ふせん)。〔物類称呼(1775)〕
人情本・春色雪の梅(1838‐42頃か)二「そいつア面白くねえでもねえが、口上茶番(コウジャウ)立茶番(たち)か」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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