口取り肴(読み)クチトリザカナ

デジタル大辞泉 「口取り肴」の意味・読み・例文・類語

くちとり‐ざかな【口取り×肴】

饗膳きょうぜん吸い物とともに、最初に出す皿盛り物。かまぼこ・きんとんや魚・鳥・野菜の類を、甘みをきかせて調理したもの。3品から9品まで奇数で取り合わせる。古式本膳ほんぜん料理では、勝栗かちぐり熨斗鮑のしあわび昆布三方にのせたもの。くちとりもの。くちとり。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「口取り肴」の解説

くちとりざかな【口取り肴】

古くは、饗膳の最初に座付き吸い物とともに出される酒の肴(さかな)をいい、かち栗・昆布・のしあわびを三方にのせたものだった。饗膳が儀礼的なものから楽しみ味わうものになるに従い、食味を重視した料理を用いるようになり、後に江戸時代・明治時代の会席料理などではかまぼこ・きんとん・だて巻き・寄せ物・魚や鳥や野菜などを甘く煮たものなどを用いるようになった。この甘いものを中心とした料理は、多くの場合その場では食べずに折詰にして土産とするものだった。また、婚礼祝儀の膳などの引き出物として用いるようになったが、こんにちではその習慣も変わりつつある。◇「口取り物」ともいう。「口取り」と略す。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android