古手（読み）フルテ

デジタル大辞泉

ふる‐て【古手】

［名・形動］
１ 使い古した衣類・道具。「古手の洋服」
２ 一つの仕事に長く従事している人。古株。「古手の社員」⇔新手あらて。
３ 古くから用いられていて、新鮮味のないこと。ごくありふれていること。また、そのさまや、そのような手段・方法。「古手な（の）商法」⇔新手。
[類語]古顔・古株・古参・ベテラン・古兵ふるつわもの

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ふる‐て【古手】

〘名〙

① 使い古した衣服。古くなって不用になった着物。古着。

※俳諧・毛吹草追加（1647）中「木のは衣朽るは霜のふる手哉〈貞盛〉」

② 使い古した道具。家具・調度などの古いもの。古道具。古物。

※浄瑠璃・淀鯉出世滝徳（1709頃）上「瓢箪町を腰付にいけんふる手(テ)の印籠の」

③ (形動) 古くから用いられていること。ごく、ありふれていること。また、そのような手段、やり方。

※俳諧・青根が峯（1698）「句作り悪敷(あしく)は古手(フルテ)に落む」

④ 一つの職業に長い間従事した人。また、以前その役についていた人。古株。古顔。

※恋慕ながし（1898）〈小栗風葉〉四「古手(フルテ)巡査ぢゃ治らねえ」

出典　精選版 日本国語大辞典