普及版 字通 「台(漢字)」の読み・字形・画数・意味
台
常用漢字 5画
(旧字)臺
14画
[字訓] うてな・だい
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
旧字は臺に作り、高の省形+至。〔説文〕十二上に「の四方にして高きなり。至に從ひ、之(し)に從ひ、高の省に從ふ。室、屋とを同じうす」と、三字みな至に従うことをいう。室字条七下・屋字条八上に「至り止まるなり」と解するが、至は矢を放って占地し、そこに建物を営む意で、占地の方法を示す。みな神明の居る神聖な所で、臺もそのような建物である。高は下部がアーチ状をなす楼門形式の建物、臺の字の上部の、〔説文〕が之と解する部分は、屋上に加える禾(か)形の呪飾で、卜文の高・京の屋上に、この種の呪飾を加えている例が多い。殷の紂王の「鹿臺」、楚の荘霊の「章華臺」など、壮麗な台観の造営が行われ、そのような台観は神明の寄るところとされた。いま台をその略字とするが、台(たい)は厶(すき)に祝の器の(さい)を加えて生産を祈る胚胎の儀礼、また台(い)は怡系統の語で、臺とは系統を異にする字である。
[訓義]
1. うてな、台観、楼形式の高殿。
2. だい、ものをおく台、高くて平らかなところ、そのような地勢のところ。
3. つかさ、役所、朝廷、台閣、高官への敬称。
4. みささぎ、御陵。
5. と通じ、しもべ、こもの、やっこ。
6. と通じ、すげ。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕臺 宇天奈(うてな) 〔名義抄〕台 ワレ・トシ・ヤシナフ・シタガフ/臺 ウテナ 〔字鏡集〕臺 イヘ・ウテナ・ヒラキ・ハシラ
[声系]
〔説文〕十二下に臺声としてを収め、「遲鈍なり」と訓する。臣(しんだい)のと同字。至賤の徒隷をいう。
[熟語]
台苑▶・台下▶・台閣▶・台格▶・台官▶・台▶・台観▶・台顔▶・台教▶・台憲▶・台侯▶・台獄▶・台札▶・台察▶・台▶・台使▶・台▶・台省▶・台城▶・台尊▶・台駘▶・台地▶・台秩▶・台長▶・台朝▶・台亭▶・台奴▶・台盃▶・台盤▶・台僕▶・台囿▶・台笠▶・台隷▶
[下接語]
台・雲台・観台・鏡台・玉台・金台・瓊台・香台・高台・三台・燭台・寝台・崇台・尊台・池台・亭台・土台・灯台・登台・舞台・砲台・輿台・瑶台・蘭台・輪台・霊台・蓮台・輦台・楼台・鹿台
台
5画
[字訓] もちいる・よろこぶ・われ
[説文解字]
[字形] 会意
厶(し)+口。〔説文〕二上に「(よろこ)ぶなり」とし、字を(い)(以)声とするが、金文には以の義に用いることが多く、〔王孫遺者鐘〕「用(もつ)て享し、台(もつ)て孝す」のように「用~台~」の形式をとることが多い。厶の原形は、耜(すき)の象形。口は祝詞を収める器の形で(さい)。台は祝詞を奏して耜を清める儀礼を示す字。それより農作をはじめる意となる。
[訓義]
1. もちいる、以と同じ。以も耜の象形の字。
2. 怡(い)・頤(い)と声が通じ、よろこぶ、やしなう意。
3. 予・余・朕と声近く、一人称の「われ」に用いる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕台 ワレ・ヤシナフ・シタカフ・トシ
[声系]
〔説文〕に台声として怡・詒・(い)、冶(や)、始・・(し)、胎・・怠・殆・・紿・駘(たい)、治・笞(ち)など二十一字を収める。なお矣声・治声の字もこの声系に属する。
[語系]
台d、・矣jiはみな耜の儀礼に関する字。(朕)jing、予・余jiaは台と声近く、仮借して一人称に用いる。
[熟語]
台台▶・台安▶・台位▶・台槐▶・台嶽▶・台鑒▶・台顔▶・台祺▶・台啓▶・台鉉▶・台候▶・台衡▶・台座▶・台宰▶・台室▶・台席▶・台鼎▶・台庭▶・台背▶・台弼▶・台輔▶・台保▶・台覧▶・台嶺▶
[下接語]
鉉台・公台・黄台・台・象台・置台・天台・登台・輔台
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報