合併無効の訴え(読み)がっぺいむこうのうったえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「合併無効の訴え」の意味・わかりやすい解説

合併無効の訴え
がっぺいむこうのうったえ

合併手続に欠陥があるため,合併が無効である場合に提起される訴え。組織上の行為をめぐる複雑な法律関係の画一的確定をはかる(会社法838)とともに,既存の表見的事実を尊重し混乱を防止する見地から,合併の無効は,訴えをもってのみ主張でき,その遡及効力が否定されている(839条)。訴えは,合併の効力が生じた日から 6ヵ月以内に存続会社または新設会社に対して提起されることを要する(828条1項7,8号)。訴提起権者は,たとえば株式会社にあっては各会社の株主取締役執行役監査役清算人破産管財人(→管財人),合併を承認しなかった債権者(828条2項7,8号)。なお競争を実質的に制限するような場合などの合併は禁じられており,一定規模をこえる会社の合併については公正取引委員会への届け出が義務づけられており(独占禁止法15条1,2項),独占禁止法に違反する場合は公正取引委員会も訴えを提起できる。

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