同潤会(読み)ドウジュンカイ

デジタル大辞泉 「同潤会」の意味・読み・例文・類語

どうじゅん‐かい〔‐クワイ〕【同潤会】

関東大震災後、住宅供給目的としてつくられた財団法人。大正13年(1924)、全国からの義捐ぎえん金をもと設立東京横浜などの市街地鉄筋コンクリートアパート建設した。昭和16年(1941)、住宅営団事業を継承し解散

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「同潤会」の解説

どうじゅんかい【同潤会】

関東大震災の復興計画の一環として1924(大正13)年に政府が設立した財団法人。都市に住むサラリーマンのための集合住宅と郊外住宅の供給、スラムの解消を目的とした地区改良事業などがおもな事業で、初年度仮設住宅と普通住宅を合わせて5580戸建設。その後東京の青山代官山江戸川など被災地15ヵ所に同潤会アパートを建て、総計1万2000戸の住宅を供給。また耐震・耐火を考慮した鉄筋コンクリート造の集合住宅や住宅設計の標準化など、住宅史上革新的な試みを数多く行った。1941(昭和16)年、住宅営団に業務を引き継ぎ、解散。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「同潤会」の意味・わかりやすい解説

同潤会
どうじゅんかい

関東大震災の直後 1924年に各地から寄せられた義援金を基に設立され,41年まで存在した財団法人。罹災者の救済を住宅団地の経営により行うことを目的とした。その事業のなかで最も有名なのがアパートメントの建設で,2492戸 15団地を数え,日本最初の本格的な公共賃貸共同住宅となった。現在でもそのほとんどが当時のまま使用され,青山,江戸川,代官山 (旧名渋谷) アパートメントなどが端正な姿を市街地の中にとどめ,名高い。近年,その再開発が話題となり,組合施行の市街地再開発事業などで事業化されつつあるものも多い。

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世界大百科事典(旧版)内の同潤会の言及

【集合住宅】より

…公的住宅供給は1910年代から始まるが,木造の長屋が主体で供給量も限られていた。集合住宅を組織的に建設し供給し始めたのは同潤会である。同潤会は関東大震災の罹災者救済のための義捐金をもとに設立され(1924),震災後の住宅難に対処するための住宅供給を行うかたわら,鉄筋コンクリート造アパートを普及させていった。…

【同潤会アパート】より

…関東大震災復興のために設立された財団法人同潤会(1924‐41)の事業の一環として,青山,代官山,三田,江戸川など,東京,横浜に15ヵ所,総計2508戸建設されたアパート。欧米の影響を受けた余裕のある建物配置と共同施設の設置や水洗便所など新しい住形式の試行により,その後の集合住宅に大きな影響を与えた。…

【都市計画】より

…この経験により,土地区画整理は日本の都市計画事業の手法として定着していった。なお,24年住宅の復興のため設立された財団法人同潤会は復興住宅のほか,日本ではじめて近代的な鉄筋コンクリート造アパート団地を開発し(同潤会アパート),不良住宅地区改良を行うなど,画期的な業績を残した。 大正末期から昭和初期にかけて,大都市の郊外電鉄の沿線において民間の分譲地の開発が盛んになり,住宅地計画の技術が進んだ。…

※「同潤会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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