吸込(読み)すいこみ

精選版 日本国語大辞典 「吸込」の意味・読み・例文・類語

すい‐こみ すひ‥【吸込】

〘名〙
① 吸い込むこと。
下水汚水などを吸い込ませる穴。手水鉢(ちょうずばち)の下などに、外へ流れないように作った穴。
※雑俳・玉の光(1844‐45)二「はばかりながら・となりのすい込へはこび」
③ 金を持たない者が、遊里などに行く気のない金のある男をうまくおだてて、だまして連れて行くこと。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉一三「神田辺の真面目な書生を、此壮士風の陶山が取巻いたのであらうと云ふのが、最初店でもお履物(はきもの)に為なかった理由で、究竟(つまり)吸込(スヒコミ)と誤解したのだ」
流体力学で、流体の流れ込む点をいう。
⑥ 空気、水蒸気などの気体を吸い取るための装置。ふつう、水流ポンプをさしていう。アスピレーター。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕

すい‐こ・む すひ‥【吸込】

〘他マ五(四)〙
① 吸って、中へひき入れる。液体や気体を吸い入れる。
※羅葡日辞書(1595)「Sorbeo〈略〉シルキ モノヲ スウ、または、suicomu(スイコム)、ススル」
② (比喩的に) 泥深い水、奥深い穴、暗やみなどが、人や物をひき入れたりつつみ込んだりする。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉七「ずぶずぶと吸ひ込まれて、其まま影が消ゆるもあれば」
仲間に引き入れる。遊びなどに誘い込む。
※歌舞伎・櫓太鼓鳴音吉原(1866)序幕「あれへ参って待合せ神崎氏を同道なし、例の小池で吸ひこみませう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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