吹染(読み)ふきしむ

精選版 日本国語大辞典 「吹染」の意味・読み・例文・類語

ふき‐し・む【吹染】

〘他マ下二〙
① 強く吹きつけて物などを付着させる。
山家集(12C後)中「はなのかをつらなるそでにふきしめてさとれと風のちらすなりけり」
② 笛などをはげしく吹きたてる。
※虎明本狂言・楽阿彌(室町末‐近世初)「此尺八をふきしむる、ふきしむる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の吹染の言及

【料紙装飾】より

…実物では緑色の紙の表にまばらに金粉をまいた〈緑金箋(りよくきんせん)〉があり,文書にみえる〈金塵緑紙〉に相当するものである。正倉院にはこのほか実物として,胡粉や黄土で雲や鳥獣を刷毛描きした〈絵紙(えがみ)〉,型紙をのせて絵具を吹きつけ(吹染(ふきぞめ)),花卉飛雲鳥蝶などを白く抜き出した〈吹絵紙〉などが保存されている。奈良時代に盛んに行われた写経の料紙としては,香木を細かく砕いて漉(す)き込んだ〈荼毘紙(だびし)〉が知られ,染紙では紫紙や紺紙が多く,この上に金泥や銀泥で経文が書写された。…

※「吹染」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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