姉さん(読み)ネエサン

デジタル大辞泉 「姉さん」の意味・読み・例文・類語

ねえ‐さん【姉さん/×姐さん】

(姉さん)姉を敬っていう語。あねさん。
若い女性を親しんで呼ぶ語。「そこの―、何か落ちたよ」
(姐さん)旅館料理屋などで、客が女性の従業員を呼ぶ語。「―ビールをもう一本
(姐さん)芸者などの間で、先輩を呼んでいう語。あねさん。
[類語]姉貴姉御姉ちゃんお姉さんお姉ちゃん姉上実姉義姉兄嫁長姉次姉亡姉愚姉令姉賢姉

あね‐さん【姉さん】

姉を親しみ敬っていう語。
やくざなどの親分・兄貴分の妻を呼ぶ語。また、女親分。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「姉さん」の意味・読み・例文・類語

ねえ‐さん【姉様・姐様】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「さん」は「さま」の変化した語 )
  2. 姉を敬っていう語。あねさま。ねえさま。ねいさん。
    1. [初出の実例]「『姉(ネエ)さん!』呼び掛けられて姉も一郎の方を向き」(出典:雨の日ぐらし(1891)〈山田美妙〉糸犬一郎)
  3. 年ごろの若い女性を親しんで呼ぶ語。
    1. [初出の実例]「今に美い姉(ネヘ)さんがお出だよ」(出典:滑稽本浮世床(1813‐23)初)
  4. 旅館・料亭などで客が女中を呼ぶ語。
    1. [初出の実例]「ヲイねへさん酒と牛肉(なま)のかはりだかはりだ」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二)
  5. 芸者・女給などで、経験を積み先輩として敬われる者。また、その者を呼ぶ語。
    1. [初出の実例]「姉(ネヘ)さん御一人かへ、ト側に座る。これはお房が米八を、姉とも頼みし言葉にて、常にいふ姉上(ネヘ)さんの軽薄にはあらず」(出典:人情本・英対暖語(1838)三)

ねい‐さん【姉様・姐様】

  1. 〘 名詞 〙ねえさん(姉様)
    1. [初出の実例]「婦公(〈注〉ネイサン)請ふ廉価にして而して伴はん下谷の帰車也」(出典:東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉初)
    2. 「オイ姐(ネイ)さん、勘定だ勘定だ」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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