精選版 日本国語大辞典 「吹返」の意味・読み・例文・類語
ふき‐かえ・す ‥かへす【吹返】
[2] 〘他サ五(四)〙
① 風が吹いて、衣服の袖(そで)や裾(すそ)などを翻す。風が物を裏返す。
② 風がものを逆に吹きもどす。吹いてもとにもどす。
③ 貨幣や金属具などを溶かして鋳直す。
④ 呼吸を回復する。生き返る。蘇生する。
※読本・手摺昔木偶(1813)一「稍ありて息ふきかへし、ありし事どもくはしくかたり」
⑤ 楽器を繰り返し吹奏する。吹奏し直す。
※古活字本毛詩抄(17C前)七「吹かへす時に、みな同手でちとちとてがかはる」
ふき‐かえし ‥かへし【吹返】
〘名〙
① (「ふきがえし」とも) 風が向きを変えて、以前と反対の方向に吹くこと。また、その風。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② =ふき(袘)
③ (「ふきがえし」とも) 兜(かぶと)の錣(しころ)の板の両端で外部に反り返した所。
※仮名草子・花山物語(1648‐61頃か)二「たけの御くしを、中ほどよりをしきり、ふきかへしといふ物に、ゆひ給ひ」
⑤ 強風で船が吹き倒されること。
※御留帳御船手‐延宝二年(1674)八月一七日「一御船大小拾五艘 内 四艘吹返し」
ふき‐かえ・る ‥かへる【吹返】
〘自ラ四〙
① 風の向きが変わって以前と反対の方向に吹く。
② 風が再び吹いて来る。幾度も繰り返して吹く。
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