デジタル大辞泉
「吻合」の意味・読み・例文・類語
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ふん‐ごう ‥ガフ【吻合・合】
〘名〙 (上下の唇がぴったり合うの意)
① 物事がぴったり合うこと。一致すること。
※
信長記(1622)六「
天下太平なりと雖も、戦を忘る時は必ず危しとかや。誠に先言吻合せり」 〔
福恵全書‐刑名部・
問擬〕
② 血管や神経が互いに連絡していること。
③ 病的あるいは外科的に
本来分離されている
二つの
臓器や
内腔を互いに連絡すること。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
吻合
ふんごう
anastomosis
血管や神経などが相互に連絡をもつ状態をいう。たとえば、高等動物の血管は相互に網の目状に連絡しており、その一部に血流障害があっても、他から側副血行路を介して血流が保たれるようになっている。また、動脈から静脈へは毛細血管を経て移行するが、鼻粘膜や一部の皮膚では動脈から静脈へ直接移行する誘導循環がみられ、動静脈吻合とよばれ、体温調節などに役だっている。一方、生理的には分離しているべき内腔(ないくう)や臓器が病的に連絡をもつ場合もある。たとえば、動静脈奇形(動静脈瘻(ろう))、ボタロー管開存症、食道気管瘻などがある。
外科的治療の目的で吻合を行う場合も少なくない。消化管では胃空腸吻合術はごく一般的に行われているほか、近年は血管の吻合技術が著しく進歩し、脳神経外科領域などでは顕微鏡下で1ミリ以下の神経や血管の吻合術も行われるようになっている。
[加川瑞夫・山本昌昭]
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普及版 字通
「吻合」の読み・字形・画数・意味
【吻合】ふんごう(がふ)
上下の唇が合う。相合う。適合する。〔福恵全書、刑名部、問擬〕其の犯す、律例の條と恰(あたか)も相ひ吻合するを以て、因りて之れを擬し、以て其の應(まさ)に得べきの罪を定む。字通「吻」の項目を見る。
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