周旋屋(読み)シュウセンヤ

デジタル大辞泉 「周旋屋」の意味・読み・例文・類語

しゅうせん‐や〔シウセン‐〕【周旋屋】

周旋業を営む人。また、その家。
[類語]口入れ屋

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精選版 日本国語大辞典 「周旋屋」の意味・読み・例文・類語

しゅうせん‐やシウセン‥【周旋屋】

  1. 〘 名詞 〙 周旋業を営む家。また、その人。周旋人
    1. [初出の実例]「和漢学の禿天が校長の幇間、妾の周旋屋一条」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉学生)

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改訂新版 世界大百科事典 「周旋屋」の意味・わかりやすい解説

周旋屋 (しゅうせんや)

雇人の紹介,斡旋を業とする人,およびその職業。また,より広く土地,建物などの売買の周旋をする業者も含めることができる。雇人の周旋業者は桂庵(けいあん),口入れ屋と通称されたほか,人宿(ひとやど),請宿(うけやど),人置(ひとおき),肝煎(きもいり)屋などとも呼んだ。近世初期以降,都市の発展にともなって出現したもので,とくに江戸に流入する多数の出稼ぎ奉公人に対し,その身元保証,雇入先の斡旋,そして,就職先がきまるまでの宿泊を行う必要があったことから必然的に発生したものと思われる。こうした周旋屋が扱ったのは,おもに武家の下級奉公人である中間ちゆうげん)や若党(わかとう),一般町家の下男,下女など,1年あるいは半年契約の出替り(でがわり)奉公人であり,芸妓娼妓などについては,関東で〈女衒(ぜげん)〉と呼んだ専門の周旋人が手がけることが多かった。また,土木工事などに必要な大量労働力の供給は,〈人入れ稼業〉と称して町奴(まちやつこ)が行った。明治以降もこうした状態が続き,東北地方からの東京の玄関口である上野駅前には,第2次大戦前まで口入れ屋が軒を並べていた。明治の東京では日本橋葭町に男性の求職者を扱う店が多数みられた。それらの店では店頭に高い台を置き,番頭や手代がそれに登って求職希望者の氏名本籍を記帳し,〈某町の料理屋の洗方(あらいかた),給料はこれこれ〉などと求人先の条件を叫んで,〈さあ,どうだ〉と声をかけたものであった。希望の者は言下にこれに応じ,〈添書を受けて赴き去る,その光景恰も(あたかも)市場の糶売(せりうり)に異ならず。また是れ都下の一奇観たり〉と平出鏗二郎の《東京風俗志》(1899)は記し,さらに,ふろ屋の三助米屋の米つきなどの周旋はそれぞれ専門の請宿があるといっている。
職業紹介 →女衒
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