呻吟(読み)シンギン

デジタル大辞泉 「呻吟」の意味・読み・例文・類語

しん‐ぎん【×呻吟】

[名](スル)苦しんでうめくこと。「病床呻吟する」「小説の書き出しに呻吟する」
[類語]うめく唸る阿鼻叫喚

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精選版 日本国語大辞典 「呻吟」の意味・読み・例文・類語

によ・う によふ【呻吟】

〘自ハ四〙
① うんうんうなる。うめく。
※霊異記(810‐824)中「却くに随ひ、先の如く復(さけ)び呻(ニヨ)ふ也〈類従本訓釈 呻 爾与フ〉」
徒然草(1331頃)一七五「あくる日まで頭いたく、物くはず、によひふし」
② 歌を詠み悩む。苦吟する。
落窪(10C後)二「少輔、文やらんとて、歌をによひをる程に」
[補注](1)「万葉‐三三五六」の「富士の嶺のいや遠長き山路をも妹がりとへば気爾余婆(ケニヨバ)ず来ぬ」の「けによば」を、「け」は接頭語、「によぶ」は呻吟する意とする説もある。
(2)従来「によぶ」と読まれて来たがその確証はなく、文明本以下の節用集類には、みな「ニヨウ」とあり、日葡辞書も同様なので「によふ」と清音だったと考えられる。

しん‐ぎん【呻吟】

〘名〙 苦しみや悲しみなどのために、うめくこと。また、うめくほどに苦しむこと。詩歌などを作るのに苦心しているさまにもいう。
※閻浮集(1366頃)瑞光安楽歌「故人不見滄海遙。凝眸呻吟天地窄」
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉八「足下自ら掘れる墓中に呻吟(〈注〉ウメキ)し、その石を転倒するの力なかるべし」 〔杜甫‐北征詩〕

によ・ぶ【呻吟】

〘自バ四〙 ⇒によう(呻吟)

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普及版 字通 「呻吟」の読み・字形・画数・意味

【呻吟】しんぎん

苦しみうめく。また、声をあげてとなえる。〔荘子、列禦冦〕の人(くわん)、裘氏の地に呻吟すること(た)だ三年にして、、儒と爲る。

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