和える（読み）アエル

デジタル大辞泉

あ・える〔あへる〕【^▽和える／^×韲える】

［動ア下一］［文］あ・ふ［ハ下二］《他と合わせる意の「合う」から》
１ 野菜や魚介などに酢・味噌・ごま・からしなどをまぜ合わせる。「青菜をごまで―・える」
２ まぜかえす。ごたごたする。
「かりそめの事もお目出度いお目出度いで―・へる」〈咄・機嫌嚢・一〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

あ・えるあへる【合・和・韲】

1. [ 1 ] 〘 他動詞 ア行下一（ハ下一） 〙
   [ 文語形 ]あ・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙
   1. ① 重ね合わせる。うちかわす。
      1. [初出の実例]「ももしきの 大宮人は 鶉鳥(うづらとり) 領巾(ひれ)取り掛けて 鶺鴒(まなばしら) 尾行き阿閇(アヘ) 庭雀(にはすずめ) 踞集(うずすま)りゐて」(出典：古事記（712）下・歌謡)
   2. ② 他のものに合わせまじえる。まぜる。→あえぬく（━貫）。
   3. ③ ( 和・韲 ) 菜や魚などを塩、酢、みそ、ごまなどと混ぜ合わせる。
      1. [初出の実例]「鮨鮎にこそ韲(あへ)たりけれ」(出典：今昔物語集（1120頃か）三一)
   4. ④ ( ③から ) まぜかえす。じゃまをする。ごたごたする。
      1. [初出の実例]「かりそめのこともおめでたいおめでたいであへる婚礼のさかづきごと」(出典：咄本・軽口機嫌嚢（1728）一)
   5. ⑤ ( ④から ) ばかにする。なぶりものにする。
      1. [初出の実例]「ぶたれたたかれあゑられもまれ」(出典：洒落本・辰巳婦言（1798）昼遊の部)
2. [ 2 ] 〘 自動詞 ア行下一（ハ下一） 〙
   [ 文語形 ]あ・ふ 〘 自動詞 ハ行下二段活用 〙 食べ物の味がなくなったり変わったりする。
   1. [初出の実例]「塩なき年たたみあへてと侍りければ 塩といへば無くても辛(から)き世の中にいかであへたるたたみなるらん〈壬生忠見〉」(出典：後撰和歌集（951‐953頃）雑一・一〇九五)

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