和伎神社(読み)わきじんじや

日本歴史地名大系 「和伎神社」の解説

和伎神社
わきじんじや

[現在地名]山城町平尾

平尾ひらお集落の東の丘陵端にある。正式には和伎座天乃夫岐売わきにいますあめのふきめ神社という。一夜にして湧出した森の中にあるとの伝承から、湧出宮わきでのみやともいう。祭神は天乃夫岐売命・市杵島比いちきしまひめ命・田凝比たごりひめ命。平尾の氏神であるとともに、綺田かばた・平尾を氏子圏とした旧郷社。「延喜式」神名帳に記される相楽さがなか郡の一座に「和伎坐天乃夫支売神社」があり、また同書臨時祭に「祈雨神祭八十五座並大」の一として「和伎社一座」がみえる。いずれも当社をさすと考えられている。「三代実録」貞観元年(八五九)正月二七日条によると正五位下に神階が進み、同年九月八日には清和天皇降雨を祈る使いを遣わした一社に選ばれている(同書)。その後の推移は不明だが、文永二年(一二六五)一一月一六日の興福寺公文所下文案(内閣文庫蔵大乗院文書「御参宮雑々」)に、関白一条実経の奈良春日社詣に際しての道普請関連して「腋杜」がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の和伎神社の言及

【山城[町]】より

…農林業が主で,たけのこ,シイタケ,ブドウなどの栽培のほか,上狛を中心に茶の集散・加工が盛んである。平尾の和伎(わき)神社は湧出宮(わきでのみや)ともよばれ,2月には居籠(斎籠)(いごもり)祭が行われる。JR奈良線と国道24号線が南北に通じ,南縁部を東西に国道163号線が走る。…

※「和伎神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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