和幣(読み)ニキテ

デジタル大辞泉 「和幣」の意味・読み・例文・類語

にき‐て【幣/幣帛/幣】

後世は「にぎて」「にきで」とも》さかきの枝に掛けて、神前にささげる麻やこうぞで織った布。のちには絹や紙も用いた。
下枝しづえには青―、白―をとりしでて」〈神代紀・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「和幣」の意味・読み・例文・類語

にき‐て【和幣】

  1. 〘 名詞 〙 ( 後世は「にきで」「にぎて」とも ) 神に祈る時、榊の枝に取り懸けて神をまつるしるしとする麻・楮の布。後には絹や紙を用いた。
    1. [初出の実例]「下枝に白丹寸手(にきて)、青丹寸手を取り垂でて」(出典古事記(712)上)
    2. 「榊葉もかくるにきてのいろいろもみな白妙に雪ぞふりつむ〈観蓮〉」(出典:承安二年広田社歌合(1172))

和幣の語誌

( 1 )「にき」には「賑」説もあるが、古くは清音であり、「和」とするのが妥当
( 2 )「て」は「栲(たへ)」説もあったが、「くぼて」「ながて」の「て」と同様に「…なるもの」の意と考えるべきであろう。
( 3 )古代は「にきて」であったが、後に「にきで」となり、近世以降「にぎて」と変化したと考えられる。

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