普及版 字通 「品(漢字)」の読み・字形・画数・意味
品
常用漢字 9画
[字訓] しな・たぐい・かず・のり
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
三口に従う。口は祝を収める器の形で(さい)。多くの祝を合わせて行うことをいう。〔説文〕二下に「衆庶なり。三口に從ふ」と衆人の意とし、〔段注〕に「人三を衆と爲す。故に三口に從ふ」と、口を口耳の口と解するが、特定の秘匿のところで祝を行うを區(区)といい、その声を歐(欧)(おう)・謳(おう)といい、これを呵してその呪能を促すを(おう)という。これらのことからいえば、品は祝に関する字である。四口を(しゆう)といい、囂(ごう)・(器)・(きよう)なども、みな祝に関する字である。多く祝を列することから、区別・種類・品第をいう語となる。金文の〔(えいき)〕に「臣三品を賜ふ。州人・東人・庸人なり」とあって、三品とは三人の意ではなく、それぞれの部族の、出身を異にする徒隷をいう。〔小盂鼎(しよううてい)〕には「そ區(わか)つに品を以てす」とあり、俘虜を部族別に分かったのであろう。人の身分や性情について用いることが多く、品流・品第・品性・品格のようにいう。
[訓義]
1. しな、もろもろ、いろいろのもの。
2. たぐい、がら、たち、いろ。
3. わかつ、しわけ。
4. かず、しなごと、みな。
5. のり、さだめ、すぐれる、ひとしい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕品 シナ・タグヒ・シナシナニス・モロモロ・トモガラ・タシカ・ヒトシ
[部首]
〔説文〕に嵒(がん)・(そう)の二字を属し、〔玉〕にを部首として別出、品部に星・參(参)の上部を品の形として属する。嵒の上部は岩石の形。星の上部は晶と同じく星の形。參は(しん)((かんざし)の玉)の形に従うもので、品と異なる。
[声系]
〔説文〕に品声として臨・嵒・の三字を収める。臨の初形は天より監臨する形の下に品をそえたもので、霊の監臨を祈る意で会意。また嵒九下は「山巖なり」とあり、「讀みて吟の(ごと)くす」という。(がん)もまたその声の字で、三字みな品声と異なる。嵒・の従うところの品も岩石の形、祝を列する品と異なる。
[熟語]
品位▶・品彙▶・品画▶・品格▶・品覈▶・品学▶・品鑑▶・品級▶・品行▶・品裁▶・品詩▶・品次▶・品地▶・品事▶・品式▶・品質▶・品▶・品庶▶・品叙▶・品状▶・品制▶・品性▶・品選▶・品藻▶・品族▶・品第▶・品題▶・品致▶・品秩▶・品茶▶・品丁▶・品定▶・品度▶・品評▶・品物▶・品別▶・品望▶・品▶・品目▶・品流▶・品量▶・品類▶・品列▶
[下接語]
遺品・一品・逸品・佳品・華品・官品・寒品・気品・奇品・貴品・九品・郷品・群品・差品・三品・士品・資品・衆品・出品・庶品・小品・商品・上品・神品・新品・人品・清品・精品・製品・絶品・粗品・贓品・題品・茶品・中品・珍品・廃品・備品・評品・物品・妙品・名品・門品・薬品・尤品・庸品
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報