朝日日本歴史人物事典 「哥沢芝金(初代)」の解説
哥沢芝金(初代)
生年:文政11(1828)
幕末・明治初期の哥沢開祖。江戸高砂町に住む御家人柴田弥三郎の3男で,名は金吉。端唄を愛好して歌沢笹丸を取り巻くひとりとなり,本名に寄せて芝金を通称にした。歌沢の樹立に力を貸したが,笹丸の死後は歌沢の「歌」を「哥」に改めて一派を立て,文久1(1861)年哥沢土佐太夫と名乗った。明治3(1870)年,哥沢芝右衛門の名で劇場へ出演し,中村座の「梅暦辰巳園」ほか数回出演して自流の伸長を図った。端唄に比べて哥沢のふしが長いのは,芝居出演が一因となっているのかもしれない。<参考文献>山崎青雨『うた沢通・うた沢大全』
(倉田喜弘)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報