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清末から民国初期に活動した秘密結社。天地会の一派で,四川で興り湖南・湖北地方へ広がったといわれる。元来反清復明を主旨とする結社であるが,太平天国の乱には会員が湘軍(しょうぐん)に参加して組織を伸ばしたといわれる。乱後,湘軍が解散されてからは,長江流域一帯の都市や農村に分散して労働者,農民や流民,失業者の間に勢力を伸ばし,賭博(とばく),盗賊,誘拐や密輸などの不法行為を働くものが多かった。彼らには元来政治性が希薄であり,小集団が分散孤立していたため,強力な政治勢力に発展できなかったが,唐才常(とうさいじょう)や黄興(こうこう),孫文などの革命派が哥老会に着目して積極的に働きかけたため,辛亥(しんがい)革命前後の期間には革命勢力としてかなり活躍した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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中国の秘密結社の一つ。宗教的な教門の白蓮(びゃくれん)教や、相互扶助的な性格をもつ会党の天地会などの影響を受けながら、四川(しせん)省に成立。天地会を中心とした太平天国の滅亡(1864)後に、おもにその討伐にあたった清(しん)朝の軍隊(湘軍(しょうぐん)、淮軍(わいぐん))のなかに勢力を伸ばした。身元確かな者を選んで結盟し、擬制的な家族的結合をとり、各省に山堂を設けて勢力を扶植した。湖南・湖北両省を中心に、広く揚子江(ようすこう)流域に分布し、反清復明(はんしんふくみん)を主目標に活動した。孫文(そんぶん/スンウェン)ら革命派がこれと結び、清末の革命運動で主戦的役割を果たし、辛亥(しんがい)革命に貢献したが、中華民国成立後は反革命的な性格を強めるに至った。
[野澤 豊]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…白蓮教の支派末流は,ごく近年まで根強く活動し,1900年の義和団運動のほか,在理教,黄天道など種々の名で華北一帯の民衆の間に信仰されていたが,その一つである一貫道は,現在も台湾で活発に布教している。 これらとは別に,清代には異民族支配に反抗して漢族の明王室を再興しようとする政治的秘密結社が早くから華南の地に興り,天地会,哥老会,三合会などと称され,辛亥(しんがい)革命(1911)の前後になると,孫文らの革命勢力とも呼応して軍事的な貢献があった。なお,近代中国の秘密結社は,国民党と青幇(チンパン),共産党と紅槍会などの結びつきにみられるように,政治動向の帰趨を左右するほどの大きな勢力を維持していたことに注意しなければならない。…
※「哥老会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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