唐人(読み)トウジン

デジタル大辞泉 「唐人」の意味・読み・例文・類語

とう‐じん〔タウ‐〕【唐人】

唐土の人。中国人。からびと。
外国人異国人異人
マドンナと云うと―の言葉で、別嬪さんの事じゃろうがなもし」〈漱石坊っちゃん
ものの道理のわからない人をののしっていう語。
「ええこの―めらあ」〈滑・膝栗毛・五〉

から‐びと【唐人/韓人】

《古くは「からひと」》中国、または朝鮮の人。
「―もいかだ浮かべて遊ぶといふ今日そ我が背子花かづらせよ」〈・四一五三〉

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精選版 日本国語大辞典 「唐人」の意味・読み・例文・類語

とう‐じんタウ‥【唐人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 唐土の人。中国人。からびと。
    1. [初出の実例]「たうしんありなし聞きて、四月に京にはのぼらむ」(出典:成尋阿闍梨母集(1073頃))
    2. 「唐人ははなをひるにも韻をふむぞ」(出典:玉塵抄(1563)六)
  3. 外国人。異国人。異人。毛唐人
    1. [初出の実例]「高(たかき)物しゅみせん・王位・ひさう伝・とうじのたうやとう人のはな」(出典:仮名草子・犬枕(1606頃))
  4. ものの道理のわからない人、わけのわからないことをいう人をののしっていう語。唐人の申し子。
    1. [初出の実例]「鴟(とび)俳諧やら烏は連歌やら、何をひとつも聞分る事なし、作者唐人なればこそ、其ままに済事なれ」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)三)
  5. 山王祭の唐人行列、または神田明神祭の唐人囃子(ばやし)の唐人の役。また、唐人囃子のこと。
    1. [初出の実例]「ばか太鼓や唐人(トウジン)でもねへから、踊を町内子供にをしへ」(出典:咄本・無事志有意(1798)祭り)

から‐びと【唐人・韓人】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「からひと」 ) 中国または朝鮮の人をいう。
    1. [初出の実例]「如此(かく)歌ひて還りたまひて、暫し筒木の韓人(からひと)、名は奴理能美の家に入り坐しき」(出典:古事記(712)下)
    2. 「ちかくわたりたるから人の又後に行ひたる、もてわたりたりけるとぞきき侍りし」(出典:今鏡(1170)六)

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改訂新版 世界大百科事典 「唐人」の意味・わかりやすい解説

唐人 (とうじん)

唐の人。転じて中国大陸から来た人,さらに異国人一般をさす語となる。9世紀には官人の中に唐人と明記された人があり,遣唐使とともに来住した人を唐人といっている。しかし唐の滅亡前後,とくに10世紀以降,中国大陸からの商人,宋商が九州,山陰,北陸に頻々と来着するが,これらの人は唐人とも併称された。九州の大宰府,越前敦賀などに住みつく人も多く,平安末期には博多に大唐街があったといわれる。神人(じにん)・寄人(よりうど)となり,交易,海上交通に従事する宋人が北九州に現れるが,この人々も唐人と通称され,鎌倉後期の蔵人所牒(くろうどどころちよう)には,櫛,薬などを遍歴・交易したとみられる唐人が見いだされる。また〈唐土の支証〉を持ち,飴を売る商人も室町時代に確認され,天竺人ヒシリの営んだ土倉(どそう)も〈唐人倉〉といわれた。16世紀以降に姿を現すポルトガル人をはじめとする西欧人も,庶民の中では〈唐人〉といいならわされ,江戸時代には異国人一般をさす用例が広く見られた。
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動植物名よみかた辞典 普及版 「唐人」の解説

唐人 (トウジン)

動物。ソコダラの一種

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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