唐物茶入(読み)からものちゃいれ

精選版 日本国語大辞典 「唐物茶入」の意味・読み・例文・類語

からもの‐ちゃいれ【唐物茶入】

〘名〙 中国から輸入した古い茶入。狭義には安土桃山時代以降に輸入したものをいう。〔随筆槐記(茶道古典全集所収)‐享保一八年(1733)九月一六日〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の唐物茶入の言及

【唐物】より

…この職域にあった同朋衆の能阿弥・相阿弥による《君台観左右帳記》は,上巻は中国画家の等級分けなどの精査,下巻では,唐・宋・元の書院内部での唐物の装飾法を述べる。能阿弥の影響下にあり,文亀2年(1502)に没した,村田珠光による佗茶の展開の中で,唐物は狭義に唐物茶入を指す語となった。茄子(なす),文琳(ぶんりん),丸壺という形状で分類される抹茶の容器であり,これを扱う茶の湯の点前も,唐物点(からものだて),また単に,唐物と呼ばれている。…

【茶入】より

…この名品化が成立した段階で,織田信長の茶の湯政道によって,名物狩が行われ,名物茶入は茶器の王座を占めることになり,茶入(小壺)1個が1国の領地と比肩されるような,地位を誇示する象徴となった。これはおもに中国舶載の唐物茶入であるが,近世に入ると瀬戸窯業の発達とともに,和物(国産)茶入の見直しが行われ,これに小堀遠州が和歌を背景とした歌銘を付することによって,喫茶の和様化が促進された。この結果,唐物茶入は古典化して,とくに茄子,文琳,丸壺の唐物茶入は,最高の位置を占めた。…

※「唐物茶入」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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