普及版 字通 「唯(漢字)」の読み・字形・画数・意味
唯
常用漢字 11画
[字訓] しかり・これ・ただ
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
口+隹(すい)。〔説文〕二上に「するなり」とあり、唯諾は応答の語である。また口に従う字とするが、口は祝告の器である(さい)で、祈り。そのが蠱(こ)に禍されているときは雖となり、保留・限定の意となる。唯は鳥占(とりうら)。はじめ隹を用い、のち唯・惟・維を用いる。鳥占によって神意の是とするところを隹という。肯定の応答である。
[訓義]
1. しかり、はい、よし。
2. 発語の辞に用いて、これ。
3. 神意によって与えられる特定のもの、唯一のものとして、ただ。卜辞に「唯(あ)り」と用いることがあり、その限定した用法とみてよい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕唯 タダ・ヒトリ・タカシ 〔立〕唯 ウケタマハル・モハラ・ヒトリ・タダ・タカシ
[語系]
唯・維jiui、隹tjiui、雖siuiは一系の語。隹が初文。雖は唯の逆接態。また、有hiuも声近く、古くは隹・唯をその義に用いることがあり、のちその限定義に用いる。
[熟語]
唯阿▶・唯唯▶・唯謹▶・唯今▶・唯是▶・唯然▶・唯諾▶・唯独▶・唯兪▶・唯一▶・唯識▶・唯心▶
[下接語]
阿唯・応唯・諾唯
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報