問口(読み)といくち

精選版 日本国語大辞典 「問口」の意味・読み・例文・類語

とい‐くちとひ‥【問口】

  1. 〘 名詞 〙 平安時代、出産後第三夜の産養(うぶやしない)に粥(かゆ)をすするときの問答に問いをだす者。⇔言口(いいくち)
    1. [初出の実例]「今夜小児第三夜、廻粥人三人、以清実朝臣問口、義経朝臣為答口、産養儀如常」(出典:永昌記‐嘉承元年(1106)七月一日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の問口の言及

【産養】より

…産養の主要行事に〈廻粥(めぐりがゆ)〉(啜粥(すすりがゆ)とも)の儀がある。問口(といくち)と称する役1人と云口(いいくち)と称する役7人が寝殿の庭で粥坏を手に捧げ持ち,一定の誦詞による問答を交わし,粥をすすりながら回転行進するもので,粥の呪力によって邪鬼を払い,新生児の夜泣きを止めさせるのである。古代人にとって生誕は神秘の瞬間であり,悪魔の入りやすい危険な継目であった。…

※「問口」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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