精選版 日本国語大辞典 「問民苦使」の意味・読み・例文・類語
もんみんく‐し【問民苦使】
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律令制下において,地方行政を監察し,〈民の苦を問う〉ことを目的として派遣された臨時の使。奈良時代の天平宝字年間(758年任命)に1度,平安時代には延暦年間(795年任命),寛平年間(《類聚三代格》寛平8年(896)の官符に問山城国民苦使がみえる)に各1度派遣されたことが知られる。儒教的色彩の濃厚な制度で,唐風の諸政策を推進した藤原仲麻呂政権のもとで,おそらく中国唐の観風俗使などに範をとって創設されたものと推察される。天平宝字度の遣使の例によれば,問民苦使は京・畿内および七道に派遣され,在地の政情を視察して意見を言上し,あるいは百姓の訴えをとりあげて上申した。その人的構成は,東海東山道問民苦使の場合は使1人および判官1人,録事2人が任命され,その他の場合はそれぞれ使1人,録事1人であった。延暦年間の遣使は同じく五畿七道に道別に派遣されたが,寛平度の場合は一国単位の遣使であり,特別に問題の生じている国に対してのみ派遣されたものと考えられる。
執筆者:吉岡 真之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
「もんみんくし」とも。奈良時代~平安初期に臨時におかれた地方監察官。令制の巡察使の一種。758年(天平宝字2)京畿内・東海東山・北陸・山陰・山陽・南海・西海の各道を担当する使が任命され,東海東山道使に判官(じょう)1人・録事2人,その他の各使に録事1人がおかれた。同年内に使の報告が2~3みられる。また延暦年間にも問民苦使に諸国を巡察させていたことがみえる。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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…星ということばは,広くは太陽と月を除く天体すなわち恒星,惑星,すい星,星団あるいは星座を指し,狭くは恒星だけを指す(ただし太陽と月も場合によっては星と呼ぶ)。 原始時代の人類にとっては,彼らがもっとも畏怖(いふ)の目で仰いだ太陽と月とが,偉大な精であることはもちろん,空の無数の目のようにきらめく星もみな精であり,ときには神でもあった。バビロニアの楔形文字の〈神〉が星の形であるのもこのことを示している。…
※「問民苦使」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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