啜粥(読み)すすりがゆ

精選版 日本国語大辞典 「啜粥」の意味・読み・例文・類語

すすり‐がゆ【啜粥】

〘名〙
子供が生まれて三日目の祝いに用いる粥。啜粥の祝いに用いる粥。
玉葉‐仁安二年(1167)一一月六日「卯刻許平産〈男子〉〈略〉八日、今日三夜也、啜粥并御前物許也」
② 愛知県北部地方で、家屋新築の際、棟上げがすむと棟梁が各柱の根元に粥を供える式をいう。同じような式は九州地方東北地方でも見られる。柱祝い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の啜粥の言及

【産養】より

…小児誕生の夜を初夜といい,その日から3,5,7,9日目に当たる各夜ごとに親戚・知人から衣服・調度・食物などが贈られ,一同参集して祝宴を張り,和歌・管絃の御遊に及ぶ。産養の主要行事に〈廻粥(めぐりがゆ)〉(啜粥(すすりがゆ)とも)の儀がある。問口(といくち)と称する役1人と云口(いいくち)と称する役7人が寝殿の庭で粥坏を手に捧げ持ち,一定の誦詞による問答を交わし,粥をすすりながら回転行進するもので,粥の呪力によって邪鬼を払い,新生児の夜泣きを止めさせるのである。…

※「啜粥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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