善重寺(読み)ぜんじゆうじ

日本歴史地名大系 「善重寺」の解説

善重寺
ぜんじゆうじ

[現在地名]水戸市酒門町

水戸城の東方に位置し、谷津に面する台地端にある。遍照山光明院と号し、真宗大谷派。本尊阿弥陀如来。「新編常陸国誌」に「貞永元年、親鸞徒弟善念坊、那珂郡門部村ニ於テ開基ス、中ゴロ喪乱ヲ経テ廃絶セシヲ、天正十四年善空僧都之ヲ鷹(匠)町ノ地ニ再興ス、元和二年上寺町ニ移シ」とある。さらに寛永一二年(一六三五)現在地へ移り、同一八年太子堂が建立されたというが、年月日未詳の吉田社神事次第写(吉田神社文書)に「坂戸郷田地 在所太子堂下」とあるので、中世すでに太子堂が置かれていたと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報