普及版 字通 「図(漢字)」の読み・字形・画数・意味
図
常用漢字 7画
(旧字)圖
14画
[字訓] え・えがく・はかる
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
旧字は圖に作り、囗(い)+(ひ)。は倉廩の形。圖は倉廩の所在を記入した絵図で、その耕作地を図面化したもの、いわゆる地図である。〔説文〕六下に「畫計することきなり」とし、「はのなり」という。〔説文〕五下にを吝嗇(りんしよく)の意とするが、それは倉廩の形。その在る所を鄙という。耕作地の状況を示す地図は、その経営のもとであるから、図謀の意となる。〔左伝、襄四年〕に「を咨(はか)るを謀と爲す」とあり、〔説文〕はその意によって「畫計することきなり」としたのであろうが、〔左伝〕の文は字説とは関係がない。〔周礼、地官、大司徒〕「の土地の圖と、其の人民の數とをつることを掌る」、〔周礼、天官、内宰〕「版圖を書するの(法)を掌る」とあるのが原義。金文の〔散氏盤〕は土地の契約関係を内容とするもので、疆域画定の次第をしるしている。その銘末に「圖を(そく)王より、豆の新宮の東に受(さづ)けられたり」という。また〔宜侯(ぎこうそくき)〕に「武王・王の伐ちたまへる圖(殷の版図)を省(巡察)し、(い)でて東國の圖を省す」とあって、その版図・領域を図という。中山王墓からはその塋域図が出土しており、また馬王堆第三号漢墓からは、湘南の九疑山を含む詳細な地図、また駐軍図・街坊図などが出ている。
[訓義]
1. ず、ちず。
2. はかる、考える、計画する、経営する。
3. え、えがく、うつす。
4. 書物、図書。
5. 度と通じ、のり、法度。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕圖 シルス・ウツル・ハカリ・ハカル・アラハル・ハカリゴト 〔字鏡集〕圖 アラハル・カタチ・カタドル・ハカリゴト・カケルカタチ・ケガル・ウツス・ハカル・シルス
[語系]
圖da、度dakは声近く、はかる、法度の意において通ずる。圖は農耕地の経営のために、(倉廩)を書きいれた見取り図をいう。度は席をもって場所・間隔をはかる意の字である。
[熟語]
図会▶・図解▶・図▶・図絵▶・図巻▶・図鑑▶・図形▶・図工▶・図讚▶・図志▶・図写▶・図象▶・図説▶・図像▶・図牒▶・図諜▶・図簿▶・図様▶・図緯▶・図乙▶・図画▶・図記▶・図議▶・図結▶・図書▶・図章▶・図障▶・図讖▶・図籍▶・図全▶・図騰▶・図南▶・図反▶・図謀▶・図頼▶・図▶・図録▶
[下接語]
異図・意図・永図・英図・遠図・河図・画図・海図・絵図・企図・希図・規図・図・旧図・計図・広図・後図・洪図・皇図・構図・鴻図・志図・縮図・真図・深図・新図・陣図・星図・戦図・壮図・地図・覇図・版図・丕図・秘図・不図・負図・浮図・譜図・仏図・方図・宝図・鵬図・謀図・本図・雄図・輿図・要図・略図・良図・図
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報