報道の自由とジャーナリストの権利の確立を目的とする国際的なNGO(非政府組織)。フランス語の頭文字をとってRSFと略称する。1985年、ロベール・メナールRobert Ménard(1953― )らフランス人ジャーナリストによって創設。不当に投獄・拘禁された世界のジャーナリストを解放するよう働きかけているほか、拘禁されたジャーナリストとその家族や殺害されたジャーナリストの遺族を経済的に支援。各国政府や巨大IT企業によるメディア規制・検閲に反対・監視・警告し、2002年から、世界180か国・地域の報道自由度をランキングする世界報道自由度指数World Press Freedom Indexを公表している。2023年のランキングでは、首位がノルウェー、2位アイルランド、3位デンマーク。アメリカは45位、ロシア164位、中国179位、最下位は北朝鮮。日本は先進7か国(G7)中最下位の68位。日本は2011年(平成23)に11位であったが、福島第一原子力発電所事故に関する情報開示の自由度の低さ、特定秘密保護法などの法制化の動き、排他的な記者クラブ制度などが問題視され、最近は60~70位台に低迷している。
本部をパリに置き、ワシントンや台北(タイペイ)など世界13か所に国際拠点や地域事務所をもつ。風刺漫画家の国際ネットワーク「平和のための風刺漫画Cartooning for Peace」や、カンボジア、ソマリアなどのジャーナリスト組織と連携し、世界各国の通信員は134人(2023年6月時点)。運営財源はフランス、アメリカなど西側政府や政府関係機関からの補助金、個人の寄付、写真集の売上げなどである。報道の自由を守る姿勢からノーベル平和賞候補に取りざたされる一方、人権問題を抱える中国でのオリンピック北京(ペキン)大会の開催に反対し、採火式と聖火リレーに対して妨害行為を行ったこともある。
[編集部 2023年9月20日]
(最上敏樹 国際基督教大学教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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