国境防御の町エルバスとその要塞群(読み)こっきょうぼうぎょのまちエルバスとそのようさいぐん

世界遺産詳解 の解説

こっきょうぼうぎょのまちエルバスとそのようさいぐん【国境防御の町エルバスとその要塞群】

2012年に登録された世界遺産(文化遺産)。スペイン国境から約15kmの位置にあり、17世紀から19世紀にかけて、広範囲に要塞化したポルトガルの要塞都市。1580年にポルトガルはスペインに併合されたが、1640年にジョアン4世がポルトガル王に即位し、ふたたび独立を果たした。それ以降、堅牢城壁が築かれた星形の要塞都市と星形の2つの要塞が建設された。設計は、オランダ人のイエズス会神父、コスマンダーが行い、当時の最先端の要塞技術が込められた。またエルバスには、アモレイラ水道橋という全長7kmのイベリア半島最長の水道橋がある。建築家、フランシスコ・デ・アルダの設計によって15世紀から17世紀にかけて建設された高架水道橋で、現在も使用されている。城塞内には、市街地が展開しており、兵舎や軍事施設に加えて、教会修道院もある。長期的な包囲攻撃でも防衛が可能なように設計されたエルバスは、ナポレオンによるフランス軍侵攻にも耐え、町は守り抜かれた。◇英名はGarrison Border Town of Elvas and its Fortifications

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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