国語(中国古代の歴史書)(読み)こくご

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

国語(中国古代の歴史書)
こくご

中国古代の歴史書。春秋時代の左丘明(さきゅうめい)の著書と伝えられるが、戦国時代中期から後期の儒家の一派が記したものであるとされる。21巻。西周の中期、ほぼ紀元前10世紀の穆(ぼく)王の時代から晋(しん)が3国に分裂(前453)するまでのことを記し、『春秋左氏伝』と重なるところから『左氏外伝』とも称される。しかし両書の間には差異も多く、『春秋左氏伝』を補う重要な史料となっている。構成は列国史の形をとり、晋国についての叙述(晋語)がもっとも詳しく、斉(せい)・鄭(てい)・呉(ご)・越(えつ)語がこれに次ぎ、秦(しん)については記載がない。三国呉の韋昭(いしょう)(204―237)の注本(国語韋氏解)が基本的テキストであり、その和刻本(『国語定本』)もある。近年の注釈書として徐元誥(じょげんこう)『国語集解(しっかい)』(1930刊)があり、また鈴木隆一編『国語索引』(1934初版)は労作である。

尾形 勇]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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