改訂新版 世界大百科事典 「国際社会史研究所」の意味・わかりやすい解説
国際社会史研究所 (こくさいしゃかいしけんきゅうじょ)
Internationaale Instituut voor Sociale Geschiedenis
アムステルダムにある社会主義文献・資料館で,研究活動も行われる。略称IISG。所蔵するマルクス=エンゲルス遺稿をはじめ,ヨーロッパ各国の労働運動史・社会思想史関係の貴重な資料収集によって世界的に知られる。1935年ハーグの〈労働者中央生命保険会社〉の資金提供でアムステルダム大学の経済史教授ポステュムスNicolaas Wilhelmus Posthumus(1880-1960)により設立され,38年にはナチスに追われて亡命したドイツ社会民主党の所有するマルクス=エンゲルス文書を含む党文庫を購入した結果,ソビエトのマルクス=レーニン主義研究所に次ぐマルクス=エンゲルス文書を入手した。第2次大戦後,研究所はさらに収集資料を拡大し,整理,研究成果の公刊を活発に行っている。
執筆者:栗原 福也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報