土塔(読み)どとう

精選版 日本国語大辞典 「土塔」の意味・読み・例文・類語

ど‐とう‥タフ【土塔】

  1. 〘 名詞 〙どちゅう(土柱)

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日本歴史地名大系 「土塔」の解説

土塔
どとう

大野寺の南東、大門池の東にある扁頭方錐形に土を重ねて作られた塔。現在の土塔町の名はこの塔にちなむ。昭和二七年(一九五二)損壊が激しくなったため応急調査され、翌二八年国の史跡に指定され保存されている。調査の結果は高さ九メートル、東辺五二メートル・西辺四八メートル・南辺五七メートル・北辺五三メートルであったが、本来は一辺五〇―六〇メートルあったものと推定されている。また断面観察の結果、柱状土層が一三層確認されている。さらに調査以前、土塔周辺から多数の文字瓦が採集されており、智雲・蓮光・善信尼など僧尼名、高志土師・百済・荒田・丹比・大伴などの氏族名、そのほか姓をもたない人々の名が確認されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「土塔」の解説

どとう【土塔】


大阪府堺市中区土塔町にある仏教施設の遺構。泉北丘陵南端の平野を望む場所に立地する。塔山とも呼ばれ、地名由縁にもなっている。奈良時代の僧行基(ぎょうき)が創建した大野寺の13層の仏塔の跡といわれる。1辺53.1m、高さが8.6m以上のピラミッド形の塔で、土台となる基壇の上に方形の段が12層、円形の段が1層あり、その上部には多宝塔の上層部のような建物があったと想定される。段は粘土塊を並べて積み重ね、その間に土を入れ、水平にして固め積み上げ、各層前面は約6万枚の瓦で葺いている。出土した瓦には、へら状の工具を用いて文字を記したものが1300点もあり、その大半には僧侶豪族、一般庶民といったさまざまな階層の名が確認されている。最古の塔婆形式を継承し、類例が少なく、古代の文字資料がまとまって出土する遺跡は貴重なことから、1953年(昭和28)に国の史跡に指定され、2005年(平成17)に追加指定を受けた。5年間の復元整備が完了し、2009年(平成21)に創建当時の姿が再現された。南海電鉄高野線堺東駅から南海バス「土塔」下車、徒歩すぐ。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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