地志播磨鑑(読み)ちしはりまかがみ

日本歴史地名大系 「地志播磨鑑」の解説

地志播磨鑑(播磨鑑)
ちしはりまかがみ

一七冊 平野庸脩著

成立 宝暦一二年自序

原本 姫路市

解説 近世播磨の代表的地誌。序文および播磨地誌の総説を収めた一冊と本文一五冊、人物誌などを収めた付録一冊の全一七冊。著者の平野庸脩は印南郡平津村の人で、医業のかたわら近郷の子弟の教育に努め、余暇に播磨地誌の著述を進めて四十数年、ついに本書を完成したと伝えられる。本文一五冊の内容は飾東郡・飾西郡・印南郡・加古郡・明石郡・三木郡(美嚢郡)加東郡・加西郡・多珂郡(多可郡)・神東郡・神西郡・揖東郡・揖西郡・赤穂郡・宍粟郡・佐用郡の順に、それぞれの郡内の神社、仏閣・寺院跡、名所旧跡和歌、古城跡・構居について古書などを引用して詳細かつ正確に記述している。明治四二年に早くも活字本が出版され、当時としては画期的な出版事業として注目されたが、依拠した底本が誤脱の多い写本だったため、当初予定していたほどの成果は上がらなかった。第二次世界大戦後自筆原本である藩主献上本が旧姫路藩主酒井家から姫路市に寄贈され、藩主献上本を底本に自筆草稿本(社町谷川家本)と校合した活字本が刊行された。

活字本 明治四二年(播磨鑑)・昭和三三年(地志播磨鑑)

謄写本 昭和八―一〇年(「稿本播磨鑑」二分冊)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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