地獄耳(読み)ジゴクミミ

デジタル大辞泉 「地獄耳」の意味・読み・例文・類語

じごく‐みみ〔ヂゴク‐〕【地獄耳】

人の秘密などをいちはやく聞き込んでいること。また、そういう人。
一度聞いたことをいつまでも覚えていること。また、そういう人。
[類語]早耳耳が早い耳聡い目聡い目が早い先見の明予覚炯眼けいがん飛耳長目敏感鋭敏明敏さと犀利さいり気が利く嗅ぐ嗅ぎ付ける嗅ぎ出す嗅ぎ当てる嗅ぎ取る嗅ぎ分ける虫の知らせ虫が知らせる機敏俊敏賢い鋭い賢しい過敏利口利発聡明怜悧れいり慧敏穎悟えいご英明賢明シャープ第六感予感直感ひらめき察知インスピレーションぴんとぴんと来る鼻が利く感じ取る気が付く

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精選版 日本国語大辞典 「地獄耳」の意味・読み・例文・類語

じごく‐みみ ヂゴク‥【地獄耳】

〘名〙
① 一度聞いたことをいつまでも忘れないこと。また、そういう人。強記
御伽草子・焔魔王物語(室町時代物語大成所収)(江戸初)「さしもぐさ悪しきとなれば地獄耳に聞きて忘れぬことぞ悲しき」
※雑俳・馬たらひ(1700)「それぞれに無筆な者は地獄耳」
他人の秘密などをすばやく聞き込むこと。また、そういう耳をもった人。
※俳諧・伊勢山田俳諧集(1650)長抜書「俗家も戒をたもち社あれ しつむべき事をおそるる地獄耳」
歌舞伎小袖曾我薊色縫十六夜清心)(1859)序幕「頼朝公から極楽寺へ、仏のための祠堂金、三千両納まったと、ちらりと聞いた地獄耳」
③ 聞いても決して外へもらさないこと。聞き捨てにすること。
浄瑠璃・安倍宗任松浦簦(1737)一「此方(こっち)は構はぬお上の事、聞いたら聞捨地獄耳、外へ洩さぬ証拠には」

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