地竜(読み)じりゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「地竜」の意味・わかりやすい解説

地竜
じりゅう

古代中国の『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』では下品に収載されている漢薬で、原名は「白頸蚯蚓(はっけいきゅういん)」という。大形のミミズを乾燥したもので、古来から解熱、鎮痙(ちんけい)、利尿薬などとして用いられ、民間的な需要も多い。中国産は内臓を取り去り、開いたもの、日本産は土砂排泄(はいせつ)させ、まるごと乾燥させたものという違いがある。

[難波恒雄・御影雅幸]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の地竜の言及

【フトミミズ(太蚯蚓)】より

…この科の1種Megascolides australisはオーストラリア南西部にみられ,自然状態でよくのびると2.1mにもなる。解熱剤の〈地竜〉はほとんどがフトミミズ科の種類を乾燥したものである。【今島 実】。…

【ミミズ(蚯蚓)】より

…ミミズは薬用として解熱,利尿,痔,火傷などいろいろな症状に効用があるとされている。そのなかでも,ミミズを生のまま,あるいは乾燥したもの(商品名地竜)を煎じ,毎食間に服用すると,大量に汗がでて熱が下がるので現在でも多くの人によって使用されている。しかし,体質によって発汗しない人もあるという。…

※「地竜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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