地質区(読み)ちしつく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「地質区」の意味・わかりやすい解説

地質区
ちしつく

長い期間にわたって同じような地史をたどったことにより、その地域内では、地質学的特徴が同一の、広範な地域をまとめた地域区分を地質区という。同じような構造発達史をたどった、したがって同じような地質構造をもった地域は構造区、成因的に同じ種類のマグマに起因すると考えられる火成岩貫入噴出によって特徴づけられる地域は岩石区とよばれる。このような地質学的な特徴と、それに作用する気候的な特徴とが、両方ともに類似していると、その地域は同じような地形発達史をたどる。それが隣接地区とは異なるとき、その地域は、地形区として一括される。地質区は時代とともに変化し、その占める地域と期間は時代によって異なる。地質時代の地形区は、その気候や植生まで含めて、昔の自然地理区とも考えられ、古地理区とよばれる。

[花井哲郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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