ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地質温度計」の意味・わかりやすい解説
地質温度計
ちしつおんどけい
geothermometer
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岩石あるいは鉱物ができたときの温度を推定する手掛りになるものを地質温度計という。普通に使われている温度計のような目盛りのついた計器があるわけではない。岩石や鉱物ができたときの温度は直接計ることはできないため、鉱物の化学組成や結晶構造、鉱物組合せなどから生成温度を間接的に推定する。実際に地質温度計として使われるのは、(1)鉱物の融点や転移点、(2)2種以上の鉱物の共融点や化学平衡の温度、(3)固溶体をつくる鉱物の端成分の溶解度と温度との関係、(4)包有物の化学組成と充填(じゅうてん)温度との関係、(5)同位体組成と温度との関係、(6)半導体鉱物の熱起電力などの物性と温度との関係、などである。岩石の生成当時の圧力を推定する手掛りになるものを地質圧力計という。
[千葉とき子]
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