城里(町)(読み)しろさと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「城里(町)」の意味・わかりやすい解説

城里(町)
しろさと

茨城県中西部、東茨城郡にある町。2005年(平成17)、東茨城郡常北町(じょうほくまち)、桂村(かつらむら)、西茨城郡七会村(ななかいむら)が合併して成立。町域の北東端部を那珂(なか)川が南東に流れ、沿岸沖積平野が開ける。中央部から西部にかけては八溝(やみぞ)山系の南縁部にあたる山地、丘陵地が続く。那珂川沿いに国道123号が通じる。かつては鉄道(茨城交通茨城線)も走っていたが、1966年(昭和41)に町域区間は廃止された(全線廃止は1971年)。丘陵地にはゴルフ場が点在する。基幹産業は農業で、稲作園芸作物が中心。とくに桂地区の那珂川流域で栽培されるレッドアロー(赤ネギ)は甘みが強く、代々自家採種され、大切に守られてきた。ほかに古内(ふるうち)地区の茶(古内茶)、ナシ、ブドウなどの果樹ソバ、キノコの栽培も盛ん。石檜(いしっぴ)とよばれる堅い檜材を利用した粟野春慶塗(あわのしゅんけいぬり)(県指定無形文化財)は、「水戸春慶」ともよばれ、日本三大春慶の一つに数えられる。常北地区にある小松(こまつ)寺の木造浮彫如意輪観音(にょいりんかんのん)像、薬師寺の木造薬師如来(にょらい)坐像及両脇侍像は、いずれも国の重要文化財に指定される。面積161.80平方キロメートル、人口1万8097(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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