堀江佐吉(読み)ホリエ サキチ

20世紀日本人名事典 「堀江佐吉」の解説

堀江 佐吉
ホリエ サキチ

明治期の建築家 弘前大工組合会頭取。



生年
弘化2年2月3日(1845年)

没年
明治40(1907)年8月19日

出生地
陸奥国(現・青森県弘前市)

経歴
代々津軽藩の大工棟梁を務める家柄で、自身も16歳から大工として活動し、父について修業した。明治7年弘前における洋風建築の嚆矢である医師佐々木元俊邸の棟梁今常吉に教を受けて以来、洋風建築を志す。家督を継いだのち12年北海道函館に赴き、洋館の建築現場を見学するなど洋風建築の技法を学習。19年東奥義塾校舎の再建工事を手がけて以来、青森県各地で洋風建築を建造し、佐々木嘉太郎邸・日本キリスト教団弘前教会・津島源右衛門邸(作家太宰治の生家斜陽館)などを設計・施工。特に37年に完成した第五十七銀行(現・青森銀行記念館)はルネッサンス様式と寄せ棟造りを用いた和洋建築として有名。また、日露戦争前後には戦時用施設の建造も請け負い、その利益で弘前市立図書館を建設、39年に完成させた。40年には弘前偕行社の建設を手がけるが、完成を見ずして死去

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「堀江佐吉」の解説

堀江佐吉 ほりえ-さきち

1845-1907 明治時代の建築家。
弘化(こうか)2年2月3日生まれ。家は代々青森県弘前(ひろさき)の大工棟梁(とうりょう)。洋風建築を手がけ,現存するものに第五十九銀行本店(現青森銀行記念館),弘前図書館旧館などがある。明治40年8月19日死去。63歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

朝日日本歴史人物事典 「堀江佐吉」の解説

堀江佐吉

没年:明治40.8.19(1907)
生年:弘化2(1845)
明治期の弘前(青森県)の大工棟梁。代表作に第五十九銀行本店(1904),弘前市立図書館(1906)などがある。五十九銀行は古典主義様式を基本としながら,アーチを重ねた塔屋などに独自のデザインを示している。

(越野武)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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