堤人形（読み）ツツミニンギョウ

デジタル大辞泉

つつみ‐にんぎょう〔‐ニンギヤウ〕【堤人形】

仙台市青葉区堤町産の土人形。堤焼を母体とし、京都の伏見人形などの影響を受けながら洗練された郷土色をもつ。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

つつみ‐にんぎょう‥ニンギャウ【堤人形】

1. 〘 名詞 〙 堤焼の、雛(ひな)人形や風俗人形。

出典　精選版 日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

堤人形
つつみにんぎょう

仙台市青葉区堤町産の土人形。江戸の今戸(いまど)人形の製作技法を通じて、京都の伏見(ふしみ)人形の影響を受けているが、浮世絵などからも取材して種類が多い。東北の風土を反映して、暗く沈んだ色調に特徴がある。伏見人形、長崎の古賀人形と並ぶ日本の代表的な土人形とされる。1694年（元禄7）、当時の藩主伊達(だて)綱村が、今戸の陶工を招いて製陶に従事させたのが始まりという。現在製作されているのは四十数種で、天神、熊乗り金時、小野川谷風、鯉(こい)担ぎ、三番叟(さんばそう)などが知られている。

［斎藤良輔］

[参照項目] | 土人形

堤人形

堤人形の絵付け

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

事典 日本の地域ブランド・名産品

堤人形[人形・玩具]
つつみにんぎょう

東北地方、宮城県の地域ブランド。
仙台市で製作されている。江戸時代の元禄年間(1688年〜1704年)頃に武士の手内職から生まれた土人形。江戸時代に絢爛たる発展をみせた歌舞伎や浮世絵などをモチーフに立体化したものといえ、優雅な趣がある。顔料をふんだんに使用し、色彩豊かで鮮やか。能面・三番叟・雛人形などの純朴な風姿は、評判が高い。宮城県伝統的工芸品。

出典　日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」

百科事典マイペディア

堤人形【つつみにんぎょう】

宮城県仙台市で作られる土人形。堤は生産地の町名。江戸初期に始まるといわれ，浮世絵や歌舞伎に取材した優美な姿態のものが多い。

出典　株式会社平凡社