塩方御代官一巻(読み)しおかたおだいかんいつかん

日本歴史地名大系 「塩方御代官一巻」の解説

塩方御代官一巻
しおかたおだいかんいつかん

一冊 岩崎与左衛門・笠岡左吉兵衛・福屋犀二郎著

成立 寛政元年

写本 国立国文学研究資料館史料館所蔵「徴古雑抄続編」ほか

解説 鳴門撫養を中心に活躍した塩方代官の歴史および職制の書上。原本は不明だが、明治期の歴史学者小杉榲邨が謄写・編集した「徴古雑抄続編」七の蜂須賀家治封中旧記に収められている。岩崎・笠岡・福屋の三名は塩方代官役で、役儀について簡略に書上げたものと思われる。塩は慶長四年以来徐々に増産されて徳島藩の専売品となり、正保二年には二名、元禄七年からは三名の塩方代官が置かれた。その後歴年の塩製造販売統制に関する史料、冥加銀の状況、村ごとの塩浜の坪数・竈数・生産高塩問屋の状況、分一所の状況などが書上げられており、近世の塩業政策を概観するためには欠かせない史料である。

活字本阿波国徴古雑抄続編」「続阿波国徴古雑抄」二

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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