境界集団(読み)きょうかいしゅうだん(英語表記)marginal group

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「境界集団」の意味・わかりやすい解説

境界集団
きょうかいしゅうだん
marginal group

限界集団ともいう。ある文化的な背景から離れて,他の文化圏に入りながら,新しい文化に完全に同化しきれない集団内部において2つの文化が葛藤し,成員に心理的不安定がある。移民者の集団などが,その過渡期において示す状況がその典型で,内部においては母国の社会的行動様式をとりながら,対外的にはその国の文化に適応しようとする。また多数派集団とのかかわりあいで,多数派集団が新しい文化のにない手となり,少数派集団が取残される場合も,後者は境界集団的特徴を示す。特に人種関係において,こうした集団が生じやすい。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android